心筋梗塞、脳梗塞など血管疾患発症に及ぼす効果
2008年、米国の研究の結果、カフェイン入りコーヒーの飲用習慣のある高齢者は、血栓イベントの発症率が低いことが報告された。そこで、7日間純水を飲用したマウスと、コーヒーを飲用したマウスの、心筋梗塞の発症を近似させた動脈血栓モデルにおける血栓閉塞までの時間を計測した。塩化鉄を用いてマウスの精巣動脈の血管内皮細胞を酸化ストレス刺激すると、血管内皮細胞の血栓が尽きやすくなる。損害された内皮には即座に血小板の集積が起こる。純水を飲用したマウスの精巣動脈は刺激開始後12分で完全閉塞した。一方、コーヒーを飲用させたマウスでは46分に延長し、コーヒーに血栓閉塞時間の延長効果があることが示された。
後藤信哉 東海大学医学部 教授
社団法人全日本コーヒー協会 コーヒーとからだのおいしい話3 研究報告ダイジェスト これまでの助成研究より 抜粋