カテゴリー別アーカイブ: コーヒーのある風景

2020年インド買い付け出張レポートVol.5

生産者との新たな取り組み。

気候変動により、その土地の気候風土から作り上げられるコーヒーフレーバーが失われつつある昨今、各生産国で様々なアイデアと新しい技術で個性的なフレーバーを作りだそうとする生産者が出てきています。

 

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※タンクの中にはコーヒーチェリーが入っています。二酸化炭素を注入し無酸素状態にし嫌気性のバクテリアによる発酵を行っている様子。

 

その中でも、今注目されている製法は、アナエロビックファーメンテーション・カーボニックマセレーション・グレンプロファーメンテーション・バクテリアファーメンテーションなど、コーヒー以外の様々な発酵技術を応用した製法です。

今回のインドの農場でも試作品としてグレンプロファーメンテーションで仕上げたマイクロロットを作っていただきました。

 

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グレンプロと呼ばれるグリーンビーンを入れる袋を使用(新品)

 

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試作品が入っている麻袋の山。

 

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麻袋から取り出した脱穀前のチェリー。

 

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おいしそうな香りがしていました。

カッピングが愉しみです。

 

昨年訪問した際に、テスト的に少量作っていただき、仕上げから8ヶ月後の品質チェックの結果をみて、良い感じでしたので今回は試作品として数十袋作っていただきました。

今年のお客様の反応がよければ、更なる増産を考えています。

入荷を楽しみにしていてください!

 

 

2020年インド買い付け出張レポートVol.4

水流選別によるコーヒーチェリーの熟度選別機

 

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夕方、4時を過ぎると朝から収穫されたコーヒーチェリーが水洗処理場へと運ばれてきます。見た目は熟度もよくおいしそうです。

 

 

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写真右上から左下へとチェリーが流れて行きます。

右上のフェーズは木屑や葉っぱなどの雑居物を取り除きます。

中段は2層の水槽になっていて、チェリーの比重で過熟実と適正熟度の実を比重選別します。

 

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軽い実は浮いたまま同じラインを下っていきます。

重たい実は一回沈んで隣の槽に浮いてきます。

 

過熟実が製品に入ると酸味が汚れてしまい品質が落ちてしまう原因となってしまうのでしっかりと選別します。

 

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左下のフェーズは選別されたチェリーです。上が過熟実などのフローター。下が選別された合格品です。

買い付け価格を値切るとこの段階での選別がゆるくなり本来よけなければならないチェリーも入ってきます。

 

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選別されたチェリーはこの後水流の力で乾燥処理場(隣の敷地)に移動させます。

乾燥場に運ばれたチェリーは再度人の手によって選別され、乾燥温度に気をつけながらゆっくりと乾燥させます。

スペシャルティコーヒーとして仕上げるには、農場のテロアールと収穫者の摘み取るチェリーの熟度判断、摘み取ってから処理場に持ち込むまでの時間、処理場でのチェリーの選別、乾燥処理の適正な乾燥温度の管理とそれぞれの工程で様々な管理が必要となってきます。その一工程でも手を抜くと品質が落ちてしまいます。それだけの事をこなすには当然コストも過かk里増すし、選別により出来上がりの数量も少なくなります。

トーアコーヒーはしっかりと現場を見極め、適正な価格で生産者からコーヒーを買付けています。そうすることで生産者との信頼関係を築き、継続的に美味しいコーヒーを作ってもらえるのです。今年も美味しいコーヒーをお届けできそうです。

 

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2020年インド買い付け出張レポートVol.3

今期新たに設備投資されたパティオ(乾燥場)

 

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昨年まで無かったSuspended Terrace(アフリカンベッド)とグリーンのシェイドカバーが新たに増設されていました。設備投資による価格の上昇が木になりますが、品質向上策も大事です。

ブラジルのラブラス大学のフラビオ・ボーレン博士の乾燥温度の重要性を実践した形となりました。

 

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日向と日陰で14度も違いました。シェードの真ん中辺りはもっと気温差がありました。かなり効果的といえます。

昨年までの黒いシートにくるむやり方は今年はやっていませんでした。

 

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アフリカンベッドに厚さ4㎝に敷き詰め日中は常に攪拌し続けます。夜間はシートで覆い休ませます。チェリーの水分量が20%になるまで乾かし、その後最後の2日間はパティオで仕上げます。1パレットに60kgのチェリーが乾燥コ農ですが、グリーンにすると10kgにしかなりません。こちらでは51台のベッドが有りますので、フルに使用しても510kg/1回8,5袋しか出来ません。

乾燥にムラが出来ないよう毎日作業者が丁寧に攪拌するのは大変な事です。

 

 

 

2020年インド買い付け出張レポートVol.2

農場内の収穫風景

傾斜のある園内には40以上もの区画があり、アラビカではSlc-9 チャンドラギリ(Slc795)イエローブルボン、ブルボンなどを栽培しています。

主にリベリカの交配種なのでサビ病(葉っぱの病気)に抵抗力がある品種ということもあり、葉っぱは元気に青々していました。

 

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ピッカーと呼ばれる収穫作業者は腰に収穫袋を2枚巻いて、収穫したチェリーを熟度の良いものと、そうでない物とをセパレートしていました。

腰に巻いている収穫袋は52kg入ります。

Max52kgの重量を支えながら傾斜地を登ったり降りたりするのは大変な作業だと感じました。因みにチェリー1kg辺りの収穫コストは1.5ルピー 日本円で2.25円 1袋収穫しても117円です。コーヒーの価格は作業者の低賃金によって支えられている部分が大きいです。特にコマーシャルコーヒーはNYCの相場により変動し生産者の収入は安定せず、苦しい生活を強いられています。

トーアコーヒーが買付けるスペシャルティコーヒーはNYCの価格をベースに生産国の賃金や生産コストなどを計算し持続可能な価格で買付けています。高く買えばよいというものではありませんが、生産者が疲弊してしまっては良いコーヒーは作ってもらえませんので、品質と価格の見極めも経験が必要です。

 

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この農園は作業者に無料で住宅を手当てしたり、無料で医療が受けれたりと社会保障がしっかりとしています。病院にはドクターが1名、ナースが1名 アテンダーが2名常駐しています。子育てでダブルインカムが出来ないと家庭の収入が減るだけでなく、雇用側も労働者の確保に困ってしまうので、託児所も併設されています。今年新たにヨーロッパのコーヒー関係者からの寄付により子供達の遊具が設置されました。

 

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学校は8kmふもとの町までトラックで毎日送迎をしています成績表を見られ恥ずかしそうに照れていた子供達の笑顔が印象的でした。

私たちが購入しているコーヒーの売上の一部が生産者やその家族の生活を支えていると思うと、もっと広めないといけないなと思いました。

 

 

 

 

 

 

2020年インド買い付け出張レポートVol.1

トーアコーヒーが毎年買付けているインド南西部に位置するカルナータカ州にあるチクマガルール近郊にある農園に買い付け出張に行って来ました。

 

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朝は霧が立ち込める幻想的な風景が印象的な標高1100mほどに位置する自然豊かな場所です。

 

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作業者の朝は7:30から始まります。収穫作業者は男性48名 女性72名 作業リーダー5名の125名です。繁忙期は外から臨時雇用で収穫作業者を集めます。点呼を済ますと収穫作業者は農場へと入っていきます。

 

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まずは定番の土作りチェック。

この農園は化学肥料を使用せず自然環境に配慮した農法を厳守しています。土にミミズを飼う事で、土を柔らかくしたり、ミミズのおしっこが重要な肥料になっています。

 

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苗床です。コーヒーの種から発芽させ、あっる程度大きくなるまでこちらで育てます。直射日光があたらな用に葉っぱで覆いをかぶせています。8ヶ月ぐらいで農場に移し替えます。

素晴らしいコーヒーを作るにはりょしつな土が不可欠です。

化学肥料を使い栄養コントロールをする事も可能ですが、こちらの農園は手間とコストがかかる農法を選んでいます。

その根底には自然環境に配慮した持続可能な農業の取り組みと農園主のこだわりが見えてきます。

 

 

 

 

10月1日国際コーヒーの日イベント報告

10月1日の国際コーヒーの日を祝うイベントが、ブラジル大使公邸にて開かれました。

トーアコーヒーもブラジルコーヒーの輸入と国内販売に貢献しているという事で、召集頂きトーアコーヒーのブラジルスペシャルティコーヒーを招待されたお客様に振舞いました。

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会場にはたくさんの来賓の方100名以上ご来場頂き、トーアコーヒーのブラジルコーヒーは勿論、ブラジルコーヒーの多様性や美味しさを啓蒙できたのではと思います。

 

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ブラジルはコーヒーが有名ですが、その他の食材も多種多様にまだまだ日本に知られていない物がたくさん有ります。

 

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この日は、コーヒーによく合うチョコレートやチーズやお菓子などブラジルのカフェを想わせるスイーツも紹介され楽しい雰囲気でした。

 

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ゲスト招待客の中に川崎フロンターレでFWとして活躍する、レアンドロ・ダミアン選手がお見えになりちゃっかり記念撮影をしちゃいました。

会場の中のコーヒーで1番美味しかったと、カップオブエクセレンスのブラジル「フォルタレザ」を気にっていただけ,どこで買えるのかなど色々質問されました。ブラジル人は皆さんコーヒー好きです。

国際コーヒーの日にブラジルの多様性のある文化に触れられ、更に美味しいブラジルコーヒーの魅力を多くの方に紹介できとても有意義な時間を過ごさせていただきました。

 

今回ブラジル大使公邸で出品したコーヒーはトーアコーヒーオンラインショップで購入する事が出来ます。

美味しいブラジルコーヒーで爽やかな秋を楽しみましょう!

出品したロットはこちらのコーヒーです。

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カップオブエクセレンス ブラジル「フォルタレザ」

ブラジル「シティオ・ダ・トーレ」

リオブレンド

 

2019年ブラジル買い付け出張レポートvol.2

徹底したトレーサビリティ管理

 

BSCAの認証を受けている農園が実施するトレーサビリティ情報

 

モンテアレグレでは、というよりはBSCAの認証を受けている農園は、育成・収穫(育成に関わる全ての記録、収穫時の作業者名と収穫した区画や日時)から処理場に持ち込んだ作業者名と日時、処理プロセスの全て、乾燥プロセスの全て、木製サイロでの保管状態、ドライミルでの選別など、全ての工程において細かな情報を記載し記録として残しています。製品が出来上がった後にカッピングで品質チェックをしもし品質に問題があった場合、どこがおかしかったのかをチェックできる事で、品質向上にも役立ちますし、もし万が一消費国で何かあったとしてもこの記録をさかのぼり情報を出せるようになっています。

 

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BSCAのトレーサビリティ管理は世界で一番徹底しています。それが品質への裏づけとなっています。

 

 

 

2019年ブラジル買い付け出張レポートvol.1

Fazenda MonteAlegre

雄大な自然と最新の農業技術の融合

2019年6月22日~ブラジルのミナスジェライス州モンテベロ・コンセイサドスオウロス・アルフェナスなど複数の町に股がって点在すブラジルを代表する大農園「ファゼンダ・モンテアレグレ」

名前の由来は「山に蛇がいなくて憂いしい」と何とものんびりと牧歌的なイメージですが、昔は今のように解毒剤や血清が無い為、蛇にかまれて亡くなる方もいたほど蛇は恐れられていたという背景があるようです。

 

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複数のセクターを有する大農園

ファゼンダ・モンテアレグレの最大の武器は、広大な収穫エリアと最先端の農業技術を取り入れながら進化し続け、高品質コーヒーを経済的に生産できるところです。

 

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社長のジュゼ・フランシスコさんはBSCAの会長を務めた経験もある方で、早くからスペシャルティコーヒーの産業にシフトした1人です。大学の研究機関に社員を派遣し常に新しい技術をアップデートしています。

 

今期の新たな取り組み

発酵プロセスに新たなムーブメントが最近登場しました。

ワインの発酵プロセスなどからインスピレーションを受けた発酵技術をコーヒーに転用したものです。カーボニックマセレーションやアナエロビックファーメンテーションとも呼ばれコーヒーのフレーバーに際立つ特徴を出すという事を前提とした発酵技術です。

一部では高価な価格で取引が始まっていますが、いまだコーヒーにとって有意なものか解明されていない為、実験テストの段階の物です。

 

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試験段階ですのでこちらではビニール袋やステンレス製の醗酵槽を使用し、オレンジシュースやパッションフルーツジュースなどをいれ発酵させたものなどを乾燥させていました。派しているチェリーの香りは、普通に干しているものより香りが弱いように感じましたが、問題はローストしてカッピングしてみないと分かりません。

今後、地球規模の気候変動により特有のテロアールが破壊され、本来出るべきフレーバーが出なくなったときにこういった技術が必要になる日が来るかも知れません。しかしコーヒーにとって有効かどうかは解明されていないため未知数です。今後の研究に目が離せません。

 

 

 

カップオブエクセレンス コロンビアNorth2019落札致しました!

2019 5月22日の深夜に開催されたカップオブエクセレンス コロンビアNorth2019のオークションにてコロンビア La Estella Geisha Honeyを落札致しました。

コロンビアのゲイシャです。

ゲイシャは品種ではないので、全てがカップクォリティが良い訳ではないので見極めが大事となります。事前のカッピングでかなり良い点数でしたので落札でき大変良かったです。

今回のコロンビアは弊社社員が国際審査委員として参画していました。コロンビアという国の特異な自然環境と気候風土の中で育まれた特別なコーヒーを是非、お楽しみ下さい。

 

 

2019カップオブエクセレンス コロンビアレポートVol.2

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COEの焙煎度合い。

コンペティションのカッピングに使用されるサンプルの焙煎度は、国内の選ばれた焙煎担当者とACEから選出したヘッドジャッジが予めカッピングして、最も特徴が出るポイントを選んでいます。カラーで見ると微妙に違いが有ります。事前にカラーチェックをする事で、深いからとか浅いということでスコアがぶれないように意識をフラットにします。

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ドライとクラストも非常に大事です。香りの中からクリーンカップや酸の特徴などを探る事が出来ます。Qグレーダーのカッピングと違い加点はありませんが、お客さまが最初に香りをとるのはフレグランス(ドライの香り)とアロマ(お湯を注いだときの香気成分)ですので真剣にチェックします。

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欧米のカッパーが早々ジャッジを終える中、時間ぎりぎりまでジャッジしています。

コーヒーサンプルによっては、温度の変化によってかなり変化するものがあります。欧米のカッパーで熱いときの評価だけで終えていく人を見かけますが、原料豆のポテンシャルは、冷めたときにはっきりと出てきます。

フレーバーは熱いときに感じやすいですが、冷めたときに出てくる香りもあります。また、熱いときには気にならなかったClean CupやAfter Tasteも冷めてくるにつれ品質の良し悪しから、差が出てきます。

欧米のカッパーは普段お店で提供しているコーヒーがエスプレッソ主体だと冷めたときの味はあまり気にしないのかも知れません。しかし日本の場合ドリップで提供されるお店が多くあり、コーヒーは時間をかけて飲みますので、冷めたときの印象も評価の対象に入れないと、飲み終わった後の印象が悪くなる可能性があります。スペシャルティコーヒーは、また飲みたくなるコーヒーでなければならないのであれば、冷めた最後のほうも美味しくなくてはなりません。

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今回のトップ10の中にゲイシャが5ロットも入っていました。

しかも10ロット中9ロットがプレジデンシャルアワード(90点以上のスコア)になりました。かなり凄い事です。

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今年1位に輝いた生産者。

1位はゲイシャのナチュラル。8位にゲイシャ・ハニーのアナエロビックファーメンテーションが入賞。

今生産国では気候変動の影響を受け、チェリーの成熟期に旱魃になったり、高温が続いたりとフレーバーの構築に悪影響が出ている深刻な状況となっています。その為生産者も少しでも高く売れる、特徴のあるコーヒーを作ろうと、ゲイシャを植えたり、カーボニックマセレーションをはじめとする変わった発酵技術を採用したりと生産現場自体が大きく変わろうとしています。スペシャルティコーヒーは新たな時代へと動き始めました。今後が楽しみです。

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